1、脳科学関連の本

「脳は脳神経細胞の集まりです」と、どの本にもこう書いてあります。本屋さんで何冊か立ち読みしてみてください。必ずこの文章のまま書いてあります。
脳の神経細胞は、普通の細胞とはちょっと形がちがっていて、細胞同士の間には少し空隙があって、シナプスから物質を分泌して付近の細胞と連動していくという、特殊な形態をしています。
少し離れているのですから、「部品だけじゃバラバラじゃん」は、小学生でも(小学生だから)するイメージです。
やはり検索していくと、脳の基本はグリア細胞という組織が脳の8割をも占めて本体をなしているのですが、このグリア細胞という単語は出てこない本ばかりで、なんか不親切です。
ついで言うと、「脳は1000億個の細胞からなっています」と「脳は体重の2%なのにエネルギーは20%も消費します」も、かならずこの文章のまま書いてあります。
誰かひとりが言ったことが、ずっと20年そのままの世界なのでしょう。昔の大学の授業もそうでした。

2、意識の保存
ある本で、もしシリコンで脳神経細胞がつくれたとして、もし一個ずつ人間の脳細胞と置き換えることができるとしたら、意識だけが永遠に残るのではないのでしょうか、と東大の先生がまじめに力説されていました。(こういう時に「東大の先生が」という形容詞をつけると勝手なイメージが付きやすくなるので付け加えさせていただきました)
哲学的な意味で永遠の命への挑戦でもあるのですが、大概そのあとは、意識だけ残ればそれでいいのかとか、もう冷凍冬眠技術はネズミでは成功したからねなどと、いつも話は頓珍漢な方向へと向かっていくのでした。

そもそも人間とコンピューターの接続は、無機質と有機物となりますし、どちらも電気とは言ってもなんか違う気がしますし、細胞の数という問題もありますし、それ以前になんかもっと根本的なところからして難しい気もしなくもありません。
が、先日、
YouTubeでサカイさんの動画を見ていたら、AIの彼女と普通に打ち解けて会話しているんですよ。ほのぼのと二人仲良くお話しておりまして、なんか、できそうな気もしてきました。
避暑地、釧路で車中泊をしながら車内と旧型ヴェゼルを紹介|北海道独り旅 15分くらいから。

3、神経細胞の発動
視力や聴覚など五感に刺激が入ると、その刺激の種類によって、それぞれの脳のある部位の脳神経細胞が励起状態になります。
「刺激」があると、脳神経の細胞内にナトリウムイオンとかカリウムイオンという電気が発生して、脳神経細胞は活動を始めるということは実験結果でわかっています。頭に電極をかぶせる映像は、この電気を拾っている実験です。
この五感の刺激が、脳細胞につながっているのはいいとしても、
瞑想・妄想とか、お母さんの夕飯の献立とか明日のピアノの発表会の緊張とか、ひょっとした瞬間に出る発想がどうやって発動され、思考にまで至るのかなどという疑問については、ほとんど説明がなされていません。
教える気がないのか、解明されていないのか、自分の研究分野のことばかりの不親切な本ばかりです。

4、脳細胞の組み合わせ
人間の思考や感情は、1000億個の脳細胞のオンオフの「形態で」できています。(たぶん)
コンピューターの情報も、0と1の組み合わせ(=オンとオフ)でできていて、似ています。(たぶん)
デジタル映像の映画は、膨大な0と1の組み合わせが変わっただけで、感動や興奮や悲劇や喜劇などまったく違ったものが、でてきています。
それを見た人間も、それによって脳細胞のどれかとどれかが励起され、特徴的な脳細胞の形態を作りだし、
それに則した感情を発しているのでした。(たぶん)
こう考えると世の中とはすべて、数が多いだけの、順列と組み合わせだけでできているとも言えるのでした。(たぶん)

5、脳神経細胞の連動

最初に、ある神経細胞が励起されると付近の細胞に連鎖していくというお話をしたのですが、
その先端からは神経伝達物質(化学物質・ホルモン)というものを分泌して、これで付近の神経細胞と絡みまわって連動しています。
その絡み方は近くだからという事だけでもなく、軸索が伸びてちょっと離れたところでもつながっていたり、同じ距離だとしても太かったり脆弱だったりというのもあって、大自然の不規則性なようなものがあります。
励起した脳の連動をこんなイメージしてみました。
宇宙ステーションの写真とライトのつく地球儀です。
もうひとつは雲の中の落雷で、思いがけないところで思いがけない方向へ強弱もって走る光の映像も、似ているかもしれません。


6、人間の個性
同じ場所・同じ場面に居る人たちも、
人によって、目につくものや感じる刺激の強さに差異がでてきます。
それにより、それぞれの脳の光る場所と光らない場所も違ってきます。
さらに、連動する脳の方向や範囲や強弱も、違ってきます。
この神経細胞の連鎖が、その人の意識になったり記憶になったりしていきます。こう考えると、人間に同じ脳(=人格)は、なさそうだとわかります。

そのあとも、人間は巡り巡って、
興味になって感動になって好奇心になって意欲になって、行動(=現実世界)へとつながっていきます。
その積み重なりを、その人の「個性」と呼びます。
人の個性は、よく生活環境や人生経験の差という事で表現されますが、脳科学的には「光る 場所と範囲と強さの差」になります。


