2022年10月3日(月)

趣味のコラム

あの世相の感想


「悪いことをすると捕まるよ」と教えられて、我々は育った。
10歳にも満たない小学校の時から「そんなことすると裁判に訴えてやる」と口にしていた。
誰もが、そんな感覚を待って大人になっていった。


安倍さんの功罪はいろいろある。
世界の中でも大きな国の日本の最高権力者(最終決定者)である。きれいごとばかりで済まないのは想像に難くない。「よろしくお願い致します」である。

ご親切にも安倍さんの、功の部分だけを拾い集めて擁護する人も、罪の部分だけを並べる人もがいる。
どちらにせよ、それらを述べている人たちは、今の立場で生活をかけた都合でいっているだけなので、そのままで正悪とするものではない。
そもそもほとんどの国民は、安倍さんとは会ったこともお話したこともないし、自分の仕事や生活に関わるにはあまりもかけ離れていて、真実はわかるわけがない。


それでもただ一つ遠くから見ていて、安倍さんについてまずかったなと思うことは、アコギなことをしても政治に分け前を渡しておけば何とかなるということを、白日の下にさらしてしまったことである。

今までも、大人の世界とはなんとなくはそうかなとは誰もが気づいていたが、それでもやはりこの国の国民は性善説にすがろついていた。今までの最高権力者たちも大なり小なり、遠慮というものを持っていた。

人の心のきれいな部分を、無頓着に土足で歩き回れていたのが安倍さんというキャラクターであった。
くれぐれも、安倍さんが特段の悪人だったというわけではない。生まれ育ちもあるだろう。
その周りが気にならないというずば抜けた才をもった人間が、あの舞台に立たされるという運命にあってしまったということである。


安倍さんという物語の結末が今回の事件であったとしたら、ある意味仕方がなかったのかも知れない。
もし天上界に脚本家がいるとしたならば、奇をてらってという展開もあるだろうが、そんな結末が王道かなとも思うのである。


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