2022年11月8日(火)

お口の中を楽しくコラム

ブラッシング指導。秘策

近くに自衛隊の施設があって患者さんもよく来てもらっています。
職場では口腔内の定期診査も確実になされているようで、
お口の中はどなたもよく管理されています。
よって必然的に、大きな虫歯とか入れ歯の作成というよりも、
お口の中のメンテナンスの話が多くなってきます。

そして患者さんたちは、お仕事柄、赴任先もちょこちょこ変わっていくようで、
ブラッシング指導している最中、
「もし、次の歯医者さんに行くことになったならね・・・」
という会話にも、よくなるのでした。

ブラッシング1
「もし他の歯医者さんに行くことになって、
 そこの先生から、『歯をよく磨いてますか?』
 と話しかけられたとき、
 『はい一生懸命磨いています』と
 元気よく返事をしてしまうと、
 そこで終わっちゃうんだよ」

なんていう話をしてあげてます。
ブラッシング2
よほど上手に磨けていない場合は別ですけど、
そこそこきれいに磨けいていると、
「そうですね、きれいに磨けてますよ。これからも頑張ってくださいね」
と、話が切れちゃうんような気がするんです。
ブラッシング3

そこで、
「それではどうしたらいいのですか」と、
患者さんの興味が湧いてくるところなんですが、
とっておきのキーワードがあります。

 「磨き残しはだいじょぶですか」
 「磨き残しているところはありますか」
 「磨けていない場所はどこですか」

と会話をつなぐのがコツです。
ブラッシング4

すると、
衛生士さんもお口の中をもう一度よ~く見渡して、
「ええ~っとですね~」となって、
もう一歩踏み込んだ会話に入って行けるのでした。

もう今の時代、歯を磨いているのは当たり前となっていますので、
さらにその先レベルアップの会話として、
こう話しかけてみたらいかがですかというアドバイスです。
ブラッシング5

しつこいですが、そのような会話に入っていくためには、
歯ブラシをする目的をよく理解していかないと、会話は盛り上がりません。

歯ブラシは、
「歯磨き」という単語・語彙にごまかされ、
ピカピカに輝くように磨き上げることというイメージを持ちがちですが、
そうではなくて、
あの白いバイ菌の塊(歯垢・プラーク)を隅々まできれいにふき取ること
ということを理解してないと、この会話は進みません。
ブラッシング6

よく歯ブラシの目的を理解したたうえで、
診療室でこんな風に話しかけてみたらいかがでしょうか。と、老婆心。
幸運を祈ります。

目次に戻る