1)ひとり旅。
ひとり旅が好きなのは、
常に「ひとり脳内会議」が発動される楽しみです。
さすがにもうこの年になって(60過ぎて)、
ひとり駅前にポツンと立って、
「さてどっちに行こうか」は、やめました。
(30年前、高速バスから手ぶらで降り立った、弘前バスンセンターの夜明け前。)
旅の初日の行き先は、
午前中1ヶ所、午後1ヶ所くらいは目的地を決めて出かけます。
そのあとは、現地で考えます。
駅や観光案内でもらったパンフレットも見ながら、なによりも天気にもよりますので、
その時々の様子を鑑みながらこのあと何しようかと考えながら行動します。
いきなり余談になりますが、
最初の宿は決めておくと、先に宿に荷物を送ることができます。
出発前に送っておけば、目的地に向かう移動の飛行機や新幹線が手ぶらになります。
1000円ちょっとで、空港や駅の階段でトランクをガラガラしながら登らないですむのはかなり楽。
帰りも、ホテルで先に宅急便の紙をもらっておいて、
チェックアウトのときに同時にそこでお願いしてしまいます。
途中ででも、洗濯物がたまったら、お土産のおせんべといっしょに送ってしまいます。
とにかく荷物。
移動の荷物が身軽になるというのは楽しさ2倍になります。これはおすすめ。
そして、旅先での道中の話です。
知らない街をポコポコ歩いているとき、ふと、渋い町中華が目に入ってきたとします。
すると、さっそく脳内ひとり会議が始まるのです。
これが「旅のメインテーマ」です。
空腹具合(朝からまだ食べていない)、
目的地の混雑状況からの逆算(今行ったほうがいいか、ちょっとずらしていったほうがいいか)、
今食べるとこの後の展開(夜はどうなるか)、
疲労度(まだまだだよな)、
当然ビールも頼むので(その影響は)、
そもそもこの店の希望的期待値は、
この先にもっと魅力的な店が現れる可能性をこの景色から推測して、
・・・などなど考えることはたくさん出てきます。
そして、その結果がどうであったとしても、
「ひとりならでは」ということから、決断も気楽で楽しいものとなります。
よって、
たとえば家族旅行などは、まるで別モノとなります。
こちらの旅は、すべてのミッション無事クリアを目的とします。
事前にコース設定を綿密に計画し、
予定外の事が起きた場合をも想定し、スケジュールを立てます。
エンターテインメントとして、計画・施行・先導する旅も嫌いではありません。
優秀ツアーコンダクターと賛辞をもらえるよう、別の遊びとして楽しみます。
2)女性のソロ登山家。
最近見たユーチューブに、ソロ登山家がいます。きれいなお嬢さんです。
高知グルメの検索でヒットしたのですが、この番組は余興で、本業は有名な登山家さんでした。
この登山家は、本業の登山ではソロ登山を明言しています。
ユーチューブでは、
ひとり断崖絶壁にかじりついたまま、
「あそこに行きたいんだけど、どーしよーっかな~。」とやってます。
足元はつま先分ぐらいしかない崖の上、
360度の見渡す限りの絶景の中、周りに聞く人が誰もいないところで、の話です。
私の東京駅で迷ってどうしようかなというのと、困った度が違っていました。
究極の「脳内ひとり会議」です。
「脳内ひとり会議」と言えば、孤独のグルメのゴローさんも、
店探しから食べ終わるまでずっとひとりで問答をしていますよね。あれもです。
居酒屋探訪の太田和彦さんだって、
「次、何頼もうかな」とひとり頭の中で逡巡しているときが一番楽しいと言っています。
逡巡(しゅんじゅん)とは躊躇(ちゅうちょ)と同じ意味ですが、
居酒屋のカウンターで”ひとりで逡巡”とは、楽しい感じが伝わってきます。
みんな私の100倍、ひとり旅の醍醐味を満喫している人たちでした。
誰もが忙しいのですが、この「脳内ひとり会議」を楽しむ時間を持つことが、
ひとにやさしく社会生活を送っていけるコツだと思っています。
ひとつ区別をしておきたいのは、
コミュニケーション能力とソロ活動は、ベクトルが違います。
この登山家さんも、学生時代に南米の村に飛び込みでホームステイをしていましたし、
人前での講演会もこなしますし、時間の融通の利くパーソナルトレーナーを職業としていますと、
人とのコミュニュケーション能力はあるのです。
その上で、「やっぱりひとりで行く」と言っています。
人間は群れを成す集団であり、仲間同士での意志の交流は究極の幸福です。
単純な原始社会では、優しくしてくれる人のそばに寄っていって、
「人のあたたかさ」をそのまま素直に感じていれば幸せでした。
しかし高度に複雑化しすぎてしまった近代社会になって、
近づきすぎ過ぎず離れすぎずという、
微妙な相手との距離の調整が必要となってしまいました。
そのような社会の中で、
自分のできることを社会に提供し、
パーソナルスペースを保ちつつ自分の居場所が見つけられるといいのですが、
まあ、運を探しに行くのも、また旅なのです。
3)もうひとつのお気に入り

この本は、20年もの前の本です。
ひとりで見てきた誰もいないアラスカの大自然の話と、
家族や仲間と過ごす時間をとても大切にしている様子、
これらを同じ比重で、静かな口調で語ってくれています。
先日本屋で見かけた時、手に取って裏見てみたら、58刷となっていました。もう聖書w
