3)さて今回の本題、磨きすぎの話
とグチがまた長くなってしまいましたが、
今日はもうひとつ、「磨きすぎ」という話をします。
一回の歯ブラシで何回かこすったとして、
×1日3回、×1年365日、×10歳から50年、
と掛け算をしていると、
「やがて歯も、すり減っていくよな」
ということは、なんとなく理解します。
「涓滴岩を穿つ(けんてきいわをうがつ)」で、
水滴がぽたぽたずっとやっていくと、やがてくぼみがでてきます。
板前さんの包丁も毎日研いでいると3分の一になってしまいます。
歯も、50年も60年も毎日こすり続ければ、
そうなってしまう可能性もなくはありません。
(足摺岬)
4)例えば
この写真は、かぶせた金属の側面がすり減って、
歯の側面に穴が開いてしまっている症例です。
咬む面に穴があいたのなら、
歯ぎしりということも考えられるのですが、
側面の穴はおそらく歯ブラシでしょう。
この患者さんは、歯のつけあたりが、
平らの歯ブラシの通りに、まっ平らになってしまっています。
平らになった中央あたりがちょっと茶色いのは、もう歯の神経の近くだからです。
ちょっと触っただけで、ひえ~という時もあります。
こんなお話を患者さんとしていると、
「じゃあ、あまり磨かないほうがいいのですか?」
とつい、そんな方向の会話になりがちです。
そこのところ、もうちょっと冷静に考えてみましょう。
歯の磨きすぎ(2)に続く
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