2025年10月1日(水)

お口の中を楽しくコラム

歯の磨きすぎ(2)

7)実際の歯ブラシ、その2

そしてもうひとつの「コツ」は、
磨くシュチエーションの話です。

洗面所でコップ片手に水ジャージャー出しながら
歯磨き粉いっぱいつけて歯を磨いていると、
だんだんテンションが上がってきて、
力を込めてにがしがしと磨きだしていきます。
そして
「今日もやってやったぜ!ベイビー」
と満足感へとつながっていく、ダメなパターンが見えます。


そこで、

少しお行儀が悪いかもしれませんが、
何かをやりながら歯を磨くという習慣を推奨します。
生活にはひとそれぞれのパターンというのがあるので、
私なんぞは、リビングで食事が終わった後テレビを見ながらそのまま歯ブラシを始めてしまっています。

テレビを見ながら、湯船につかりながら、
雑誌を読みながら、パソコンをいじりながら、
「何かやりながら」というのがコツです。
歯磨剤をつけてしまうと、アブクだらけになってしまうので、
歯磨き粉は、仕上げの最後に、洗面所の前でにします。
(歯磨き粉の功罪は、以前どっかに「歯磨剤の選び方」で書いた気がします)



こんな時こんな感じで、肩の力を抜いての歯ブラシをイメージをしてみてください。

8)で、まとめると

力いっぱい歯を磨きすぎると、やがて歯は削れてきてしまいますよという話をしたかったのですが、
その理屈を納得できるようにお話していたら、また長くなってしまいました。

いままでガシガシ磨いていた患者さん、三つ子の魂なんとかを変えるのは意外と大変です。

無意識にやっていると、二週間後にはまたいつものガシガシ磨きに戻っている気がします。
歯医者さんが毎度同じ言葉で注意喚起するのも、そこを踏まえた上でしているのでした。


(ほらまたいつもの歯ブラシ)

「歯磨き」という名詞では、どうしても
「ピカピカに磨き上げる」イメージがぬぐい切れません。
「ていねいな歯のふき掃除」という、
うまいネーミングが見つかればいいと思っています。

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