2022年3月11日(金)

趣味のコラム

日本のやきもの


日本の陶器

私が日本のやきものに興味を持つようになったのは、
産地当てクイズみたいなものを見ていた時でした。

やきもの

現代のやきものは、
土を取り寄せ現代の火力を使った窯で焼成することができるので、
日本国中どこででも同じものを作成することができます。

しかし昭和以前のやきものとは、
裏山の土がやきものに適しているので、そこに窯を作ったのでした。
窯を作ってそこに土を運んでくるということはしません。
さらに伝統を大切にする文化から、
その地域の特徴だったものがずっと作り続けられました。

よって昔の焼き物は、
土の持つ感じと器の色や形からなる風合いから、
どこの地方の何焼きかがわかるのです。
“なんでも鑑定団”の先生たちが活躍する理由がここに隠されていたのでした。

やきもの

盛られている器にも興味をもち、
意識して眺めてみて、ちょっと産地や特徴・歴史などを検索してみる。
すると食事の楽しみが、さらに増えることになります。

やきものは、ひとり旅のテーマになったりもしています。

やきもの


たとえば。日本の陶器あれこれ

昔は土管といって水道管は焼き物でできていました。
さすがに最近は見かけなくなりましたが、
子供の頃田舎にいくと朽ち果てて水が溜まっている土管をみかけました。
あれは「常滑焼」です。
ドラえもんに出てくる土管はもうコンクリート製ですけど。

昔どこの家にもあった片手で持っていれる急須、
あれも常滑焼です。
あの独特な茶色くて丈夫そうな土が常滑焼です。

やきもの

狸の置物と火鉢のほとんどは「信楽焼」
「砥部焼」なんてのは元は船上でも使えるように
とても丈夫に厚手にできていて、別名“喧嘩茶碗”、
夫婦げんかで投げつけても割れないという意味からだそうです。(逆に危ないよね)

「これ芋焼酎を入れたらおいしそうじゃん」というものを見つけたら
それは間違いなく「黒薩摩」ですし(言い切る)、
大皿いっぱいに一点もののド派手な絵がかいてあったらそれは「九谷焼」です。

土鍋はグレーのぐるぐる模様の書かれた「三島焼」をよく見かけるのですが、
そうではない風合いのある土鍋といったらそのほとんどは「萬古焼」です。
「備前焼」というのは、
火のあたり具合で色合いができるので同じ柄はありません。

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(これらはヤフーの新品です。骨董で探すともっと風情を感じられます。)


やきものから感じる世相

ホームセンターの瀬戸物コーナーに行くと、
色・形・強度・価格・品ぞろえ、
すべてにおいて完璧です。

しかしいくらか行き過ぎた効率最優先主義によって、
品物を前にしてもこれは誰かが作っているという、
人の息吹が感じられなくなってきてしまいました。
これが弊害であり、
人に対してやさしくできなくなってきた原因になっています。

やきもの

少し話は飛びますが、大きいスーパーに行くと、
総菜コーナーまでにも工業製品に近いものが並んでいます。
魚の煮つけが、同じ包装で全国どこででも、同じものが買える仕組みに驚きます。

そこで、たまにはと、
醬油とか豆腐とかを、スーパーですこし割高な銘柄を選んでみたり、
大福や団子を、コンビニではなく、
町の和菓子屋さんで買うなんてことをしています。
そうすることによって、
ものを作っている人の顔がすこし感じられるような気がします。

実直にものを作っているひとたちも報われるようになってくれば、
この行き詰まった世界感からまた違った方向へ行けるような気もします。
道の駅の農産物コーナーに行くと、
生産者の笑顔の写真が貼ってある野菜も見かけるようになりました。

人間の軌道修正力に期待します。

やきもの


先日マヨネーズを買いに行ったのですが、
調味料類は、老夫婦には賞味期限が危ないので、
割高ではありますが、少量サイズにしています。
しかしその日は、普通サイズが特売中で、
少量サイズと10円しか違いませんでした。長考。

やきもの

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