2026年10月1日(木)

お口の中を楽しくコラム

歯科治療の材料学2


3、セラミック

陶器の材質

合成樹脂でないもう一つの白い材料に、
陶材(セラミック)があります。
無機質の歯科陶材は、陶器・磁器と同じですから、
材料は昔からある、天然のものです。(岩石とか鉱物)

これは現在にいたって
「固く成型できるもの」
として、
歯科に限らず日常でも多く使われています。

形成できるものとして金属と似ていますが、
電気や熱を伝えにくいものとして、
住み分けています。


(株キムラテック)


陶材の製品の物性は、
素材の精錬度と制作の温度が
大きく影響します。

その中でも「焼成の温度」は、
昔から考えられていた部分でした。
土器と磁器を比べると、
見るからして土器の方が脆(もろ)く見えますが、
これはまず焼成温度の違いです。

(土器・陶器・磁器)

  • 土器は、たき火程度の火力で焼き上げます。
    陶器は、現代は電気釜ですが、
    昔ながらの製法で作っている作家さんもいます。
    大きな登り窯で、一週間
    火を絶やさないよう寝ずの番で焼き上げます。
    ネットで見れば、焚火とは違った火力
    というのがわかります。

    • 磁器は、火力をさらにもう一段高く、
      硬く焼き固めるべく
      改良・工夫されたものです。
      日本でこの技術の完成は
      江戸時代になってからです。

      そして現在の硬い陶器。
      ちょっとやそっとでは壊れません。

      少し余談ですが、
      セラミックは、焼成すると
      1割も2割も縮むのも特徴です。
      観光地で陶芸をやって、
      一か月後に送られてきた湯飲み茶わんは、
      かなり小さくなってるはずです。

      歯科にとっては、ミクロン単位でも
      寸法変化は大騒ぎなところです。
      厚みによって収縮率も違ってくるので、
      この統合性を技工士さんは肌感覚でやっています。


      陶材の収縮がわかるYouTubeがありました。

      あの独特の形であんな大きなもので、
      さらに平面も曲線も意識して、
      そして「量産品」というまるっきり同じものを
      作る技術に敬意です。

      【工場探見】世界のトイレを作る「TOTO」、光る技と目…福岡・北九州
      (1:00~くらいから)


      最近までの陶材治療。

      セラミックの歯は、とても硬いのですが
      やはり限界を超えると、
      硬いは割れるにもつながります。
      「延性」という言葉から連想して
      「割れる」という観点をすると、
      やはり金属に分があります。

      そこで今までの歯科治療では、
      金属とセラミック両者の
      特長を生かしたいいとこ取りで、
      まず金属をかぶせて、そこにセラミックで
      コーティングする方法を取っていました。

      ホーロー挽きの食器や、ユニットバスと同じです。
      ニトリのマグネット付き石鹸箱が、
      風呂場の白い壁に引っ付くわけでもあります。
      ホーローは錆びずに汚れもつきにくく、
      キレイが長持ちします。


      歯も長年この焼き付け法で
      歯をかぶせていたのですが、
      これにはひとつ、色調の問題がありました。

      金属の黒にそのまま白いものを張り付けると、
      下地の黒が浮き出てしまって、
      暗い印象になってしまうのでした。

      そこでまずは金属に、
      色の浮き出ない透明感の全くない陶材を
      下地に塗っていたのですが、
      こんどその厚みの分で、
      色調が全体的に、いささか
      物足りない単調なものになりがちでした。



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