1)テレビの健康番組
テレビの健康番組が横行闊歩しています。
「“めまい”。それは隠された重い病の前兆で、
そのまま放置していると、
死に直結する前触れかもしれません。」
ひとつの症例を針小棒大にドラマ仕立てに仕上げ、
不安をあおれるだけあおる。
いらっしゃいませ顔した医者が、
後ろでうなずいている。
ああいうのはホラー映画と一緒で、
ハラハラドキドキを楽しむ娯楽番組です。
現実とは少し温度差があることは、
確認しておきましょう。

そんな番組の中で、
「かみあわせがずれていると、
だんだんと背骨が曲がって行き、
やがては歩けなくなってしまいます」
というのもありました。
わざとらしい低い声の女性ナレーターと
おどおどしいBGM。
現実の話としては、
かみ合わせがずれているのはほぼ全員ですし、
この原因だけと特定するのはムリではないか、
というのがフェアーな感想です。
これもある種の偏向報道です。

2)顎関節症とは
町の歯医者さんでも歯ブラシや虫歯ばかりでなく、
「口を開けると音がする」
「ご飯を噛んでいるとき顎が痛くなる」
「口が開けるのがなんとなく怖い」
「朝起きると顎がだるい」
などの顎の不快感で、
受診する患者さんもいらっしゃいます。
顎関節に不快症状があれば、
顎関節症の診断名がつきます。

しかし、この原因として、
顎関節ばかりとも言い切れないところが
難しいところです。
ちょっと体のどこかの筋肉を痛めて、
無意識にそれをかばってる姿勢を続けいて、
バランス悪くなって、またそことは違ったところに
症状が出る場合もあるからです
逆に、顎関節自身を原因として、
「最近、いやに頭が痛い」とか
「しきりに肩がこる」などと
ちょっと離れた症状としても出てくることがあります。
顎関節症の原因が
顎関節自体なのか
体の他の部分に起因するのかどうかも含めて、
とりあえず、
顎関節に何が起こっているのかお話します。
3)顎関節の解剖学
ちょっと難しいかもしれませんが、
知識として、かみ合わせの話を、
少しかみ砕いてしてみます。
まずは、骸骨の頭の部分。
あらためて見てみると、
こんなかんじです。

頭の骨は、
頭本体と下顎骨の
二つからなっています。
頭蓋骨の横の真ん中あたりに凹みがあって、
そこに下顎骨の後ろの球体部分が
当てはまっています。
手のグーをパーで覆いかぶせたような関係で、
顎は、ゴリゴリと動いています。
たとえば「顎が外れる」というと、
何かの拍子にグーがパーのくぼみから
はずれてしまうことです。
時たまスポーツ選手でみられる、
肩の脱臼も似たような現象です。


