3.作成の誤差
唐突ですが、
液体から固体など物質が状態変化するとき、
氷の例を出すまでもなく、
必ず体積の変化が起こります。
かぶせる歯(補綴物・ほてつぶつ)の作成も、
何度もの練っては固め、溶かしては固めの工程を経て作成します。
補綴物の作成は、まず、
型を取る印象材を、水で練って
お口の中の固めるところから始まります。
そしてその中に水で溶いた石膏を
流し込んで歯の形を作って、
その上でワックスを溶かして
また固まらせてかぶせる歯の原型を作り、
これをまた石膏に埋めて溶かし、その空洞に
金属を溶かして流し込んで
固まらせて歯の形にして磨き上げます。
このように途中何度も、
膨張収縮の過程を得て技工物は制作されます。
皆さんも、たんすの引き出しやお茶缶のふたを作ったことあると思うのですが(冗談ですよ)、
ガタガタはもってのほかですが、
正確にぴったりならばいいというものでもありません。
ものには、「程よいという程度」というものもあります。
お口に入れる補綴物は、
すべてを把握した技工士さんのさじ加減というところが必要になってくるのでした。
4.ハサミの誤差
それともうひとつ。
実際の「噛む」という運動は、
上下運動かと思いがちですが、
実は、顎関節を起点とした回転運動です。
垂直のプレス機ではなく、
ハサミの動きとなります。
そしてハサミをイメージしてください。
根元の方で薄い紙を切ろうとしているとき、
刃の先端の方は5ミリも1センチも開いています。
人の歯も同じで、
奥歯に0.1ミリ高い金属だとすると、
前歯は3ミリもあいているという感じが
してしまうものなのでした。
そんなところで、
まずは調整しているのでもありました。

・・・ついでのだいぶ関係のない話になりますが、
ハサミで硬いものを切るとき、
はさんでいる歯の部分だけでなく、
あの留め金のところにもかなりの負担がかかっています。
これを噛み合わせで考えてみると、
留め金とは顎関節のことであり、
ここに過度な力で炎症が起きてしまうと、
顎関節症ということになるのでした。









